課題:
オフィスビルの省エネルギーを実現するには、VAV システムに暖房、換気、空調システムを統合しなければなりません。各オフィスルームにも以下の機能が求められます:
- ・人感と CO2 センサーによる換気制御
- ・ユーザーによる手動で調節可能な室温制御
- ・壁付けパネルによる室温制御と在室検出
- ・モバイル装置によるWEBベースの制御
既存のエアハンドリングユニット (AHU) との通信手段も必要です。理由は以下の通り:
- ・AHU に希望のエア品質を伝えるため
- ・制御最適化の実現に AHU から外気温度と空気品質情報を取得するため
VAV システムの管理はメンテナンス用ワークステーションまたはモバイルデバイスで実施できるようにする必要があります。
ソリューション:
対応するソリューションは以下の製品で構成されています。
- ・換気制御デバイス LIOB-AIR1
- ・ワークステーションhttps://www.loytec.com/de/produkte/zubehoer/lbox-rocに搭載する LWEB-900
- ・標準オフィスルーム用の L-STAT リモコン
- ・会議室、コミュニティ室用の L-STAT リモコン
換気需要のある部屋に LIOB-AIR1 が搭載されています。差圧センサーによって LION-AIR1 は気流測定を行い、ダイレクトドライブでフラップを制御します。物理入力ポートを通して換気温度を測定し、部屋の快適性を向上させ、窓監視を加えて省エネルギーも達成できます。TRIAC 出力で暖房のバルブが制御され、Relais 出力で VAV ボックスの換気ファンが制御されています。
L-STAT リモコンに搭載された遠隔制御装置によって物理出入力ポートを LIOB-AIR1 に追加可能です。L-STAT リモコンは部屋内の温度、相対湿度及び CO2 濃度を測り、測定したデータを基づきユーザーが自分に相応しい温度及びファン設定を選べます。在室検出は人感センサーによって自動的に機能しますが、マニュアル操作も当然可能です。
会議室及び共用部には LVIS-3ME7 タッチパネルが設置されています。高質なガラスタッチを持つ LVIS-3ME7 タッチパネルにはカスタマイズ可能な GUI が搭載され、ビルを保有する企業の独自なデザインを導入することが可能です。
VAV システム全体の構築及び見える化機能は L-STUDIO で実施できます。VAV ライブラリーにはシステムを構築するために必要なテンプレートが保存されています。
VAV ボックスと AHU 間の通信は L-STUDIO で自動的に生成され、外部ツールの使用が不要です。VAV ライブラリーに保存された図記号を利用すればシステム設計者はお客様の希望する見える化機能を素早く作成可能です。
ワークステーションとしては LWEB-900 が採用され、プロジェクトの作成からパラメーターの調整、設備のメンテナンスまであらゆるタスクを実施可能です。
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LIOB-AIR のシステム構成:
ビルは数層のフロアで構成され、フロアも数個のエリアで構成されています。大きい敷地の場合で数棟の建物を含むのもあります。各エリア、フロア、ビルにはマネジャーというデバイスが存在し、マネジャーは制御ソフトウェアとして全ての LIOB-AIR VAV コントローラで動作可能です。エリアマネジャーは Co2 濃度、必要な空気量などのデータをエリアにある LIOB-AIR VAV から集め、フロアマネジャーに転送し、フロアマネジャーは各エリアマネジャーから集めたデータをまとめ、更にビルマネジャーに転送します。ビルマネジャーは AHU と通信し、換気システムのエネルギー使用の最適化に必要なデータを提供します。マネジャーが最大 8 個の給気エリアを管理でき、各エリアからのデータも独立に処理できます。各 LIOB-AIR VAV コントローラの通信が自動的に生成し、システムレイアウトの変更に対しても自動的に調整可能です。
メリット:
LIOB-AIR はどんなセンサーとアクチュエーターの組み合わせに対しても相応しい制御機能を提供し、プロジェクトによる様々なセンサー配置にも簡単に合わせて調整できます。システム設計者が、連続式、3 点式ダンパ・アクチュエータまたは様々なリーヒーターアクチュエータから選べます。
バランサー、モバイルデバイス若しくは LWEB-900 ワークステーションを通じて VAV システムにパラメーターを入力することができます。内蔵された LWEB-802 アプリによってアクセス許可レベルが各バランサーとシステム管理者に割り当てられ、キャリブレーションやダンパーシステムの補正などのバランシング機能も直接に LWEB-802 で実施可能です。
VAV コントローラは AHU と通信し、給気や空気品質に関する情報を交換する上で、VAV システムも各箇所からの要求をまとめ、AHU に変化を伝えます。AHU に強制換気を要求する場合で、VAV コントローラが給気量の最小値を設置します。
VAV コントローラは AST 機能を提供し、独立にもしくは LWEB-900 と合わせて動作可能です。
機能:
LIOB-AIR1 は以下の機能を提供しております:
- ・可変空気量制御
- ・センサー(CO2、VOX、人感)によるデマンドコントロール
- ・温度制御
- ・給気温度制御
- ・マニュアル、センサーベースまたはスケジュールベースの在室検出
- ・並流式、向流式換気
- ・電気、リーヒーター式暖房
- ・電気、囲み式暖房
- ・L-STAT リモコン
- ・内蔵 LWEB-802 によるモバイルアクセス
- ・AHU と VAV コントローラ間の自動通信
- ・複雑なシナリオでの給気、排気設備の統合
- ・バランシングとメンテナンスのための独立なオーバーライド機能
- ・L-ROC システムの統合によるサンブラインドと暖房制御
- ・BACnet と CEA-709 に対応
アプリケーション分野:
LIOB-AIR ソリューションは単独で動作する VAV 設備にも、複数の AHU やシステムが存在している大型のオフィスビルにも適用します。全ての通信プロトコルに対応するインターフェースによって各社のビル管理システムとの通信が可能です。